中小のIT企業はやめとけと言われるのはなぜでしょうか?
言葉自体をそのまま受け止めてしまうと、こういった疑問も浮かんでしまいますよね。
本記事では「中小のITはやめとけ」と言われる理由と、その真意について解説している内容です。結論の流れからブラック企業を見分けるポイントについても解説しています。
IT業界への転職を目指している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 【中小のIT企業はやめとけ】と言われつづける理由
- 【中小IT企業はやめとけ】の真偽
- 中小IT企業の魅力
- ブラック企業を見分けるポイント
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【中小のIT企業はやめとけ】と言われつづける4つの理由
それでは【中小のIT企業はやめとけ】と言われつづける理由について解説いたします。主に挙げられる内容は次の4つです。
- ブラック企業のイメージ
- 福利厚生が不十分なケースが多い
- スキルアップシステムの欠如
- 大手と中小のIT企業で120万円以上の年収格差がある
理由①ブラック企業のイメージ
いちばん大きな理由は、ブラック企業が多かった過去のイメージによるものです。
低報酬・長時間労働・休日が少ない・未経験で現場に出される、こういった劣悪な労働環境が現在も続いていると思われています。
このような企業が存在した理由のひとつとしてIT業界の多重下請け構造が挙げられますが、この構造は2023年においても変化していないからです。
実際は環境改善の波が進み、中小のITでもブラック企業の数は少なくなっています。
理由②福利厚生が不十分なケースが多い
次に言われるのは福利厚生面の差です。大手企業と単純に比較してしまうと、中小のほうが劣ってしまうことは多々あります。
住宅手当や交通費支給などは法定外福利厚生となり、企業側が独自に設ける制度です。制度維持に必要な資金を捻出できる大手企業ほど、法定外福利厚生も充実しています。
健康保険や厚生年金保険は国が義務付けているため、中小のIT企業にも備わっている福利厚生です。
それ以外の面を大手と比較してブラックだと感じるのは仕方のないことだと言えます。
理由③スキルアップシステムの欠如
中小のIT企業になると教育制度が充実していないケースも多いです。エンジニアにとってスキルアップできない環境は致命的となります。
仕事先でもスキルが得られないままだと、年齢を重ねてもそれほど年収は上がりません。まずいと感じて転職を決意しても、年齢的に手遅れという状況も考えられます。
大手ITには資格手当や資格取得補助などの福利厚生も備わっており、定期的な勉強会や研修システムなども多いです。
こういった面でも中小のIT企業は見劣りしてしまうため、ブラックという印象を持たれがちなのでしょう。
理由④大手と中小のIT企業で120万円以上の年収格差がある
最後に挙げる理由は年収面です。大手と中小のIT企業では、120万円以上の年収格差があると言われています。
この格差は年収の伸び率から発生するものです。大手ITでは年齢を重ねるごとで飛躍的に年収がアップしていきます。
中小ITになると年齢ごとの年収アップ率は比較的おだやかで、上り幅が少ない傾向です。
定着率の高い大手ITと若手の多い中小ITを単純に比べるのは危険ですが、年収に格差があるのは事実と言えます。
【中小IT企業はやめとけ】は本当に正しいのか?
【中小のIT企業はやめとけ】と言われる理由を知ってもらえたので、本質の解説に入っていきたいと思います。
言葉どおりに受け取ってしまうと、IT業界への転職が困難になると言わざるを得ません。まずはその理由について説明いたします。
日本企業の99.7%は中小規模
日本国内には約421万社の企業が存在します。このうち大企業と呼ばれる会社はわずか0.3%です。つまり日本企業の99.7%は中小規模となります。
これはIT業界に限った数値ではないですが、中小企業を選択肢から外すことで転職難易度が一気にアップすることは容易に想像できるでしょう。
多くの人が大手企業への転職を希望するでしょうが、中小企業を完全に除外するのは現実的ではないのです。
中小企業ではなくブラック企業を避ける
【中小のIT企業はやめとけ】という言葉を正しく理解するなら、中小企業ではなくブラック企業を避けるでしょう。
言われつづける理由を見てもらえれば分かるとおり、これらは労働環境の問題であり中小ITすべてに当てはまるわけではないからです。
しかしながら福利厚生や教育制度の足らない企業が存在するのも事実と言えます。ブラック企業を見分けるのは困難で、それなりの労力が必要です。
ですからホワイト企業の確率が高い大手を選び、【中小のIT企業はやめとけ】となっているわけです。
SNSにおける企業への口コミは参考程度に控える
ブラック企業を見分けるのは難しくない、SNSの口コミを見ればある程度見抜けると考える方は注意してください。
当たり前ですが企業への口コミを書いているのは元社員の人たちです。不満があって辞めたケースがほとんどでしょうから、自然と否定的になります。
勤続年数が短いパターンでは、待遇がアップする前に辞めたことも考えられるでしょう。少し働いた程度の口コミはあてにしないほうが賢明です。
確実に参考となるのは、自分と同年代がもらっている年収ぐらいと言えます。
中小IT企業を転職先に選ぶ魅力
大手よりも中小ITが多いから選ぶしかないという結論にならないためにも、中小IT企業を転職先に選ぶ魅力についてお伝えしておきます。
それぞれの企業が持つ魅力とは別に、共通する全般的な内容が以下の2つです。
- 大手よりも転職の成功率が高い
- 企業の全体像が見えやすい
魅力①大手よりも転職の成功率が高い
応募が集中する大手と比べて、中小ITは競争倍率の低さが魅力です。転職活動が成功するまでの時間も短い傾向ですので、早く働きたいのなら中小ITがおすすめとなります。
転職成功率が高い点に注目すると、未経験からのステップアップにも最適です。ある程度の実績を積んだ後に大手を目指すほうが、かえって効率的なケースもあります。
大所帯でなければ希望する部署にも配属されやすいため、自分のやりたい仕事をこなせる可能性も高いです。
魅力②企業の全体像が見えやすい
企業の全体像が見えやすい点も中小ITの魅力です。大手では複数のビジネスモデルを展開し、幅広い顧客を相手にしています。
企業規模が大きいほど、全体像の把握にはある程度のポジションと時間を要する傾向です。反対に中小ITでは事業全体を素早く理解できます。
企業が進む方向を理解できると売上にも貢献しやすく、自分の上げた成果も分かりやすいです。こういった経験や知識は次の転職に活かしやすく、また有利に働きます。
IT未経験の求人に注意!ブラック企業を見分けるポイント4つ
ブラック企業は少なくなっていますが、残念ながらゼロにはなっていません。特に業界知識の浅いIT未経験向けの募集には注意する必要があります。
ブラック企業を見分けるためのポイントは以下の4つです。しっかりと頭に入れておき、企業選びの材料としましょう。
- 離職率が高く有休消化率は低くないか
- 従業員の平均年齢が極端に若くないか
- 会社紹介が抽象的な言葉ばかりで分かりにくい
- 裁量労働制の有無
ポイント①離職率が高く有休消化率は低くないか
最初のポイントは言葉どおりの意味です。離職率が高いということは、ずっと働きたいと思う環境ではない可能性があります。
また有休消化率が低いのは、部署内に有給の取りにくい雰囲気があるのではと推測できるでしょう。
もっとも注意するべきは、これらの数値をいっさい公開していない企業です。求人票や企業のホームページを見ても詳細が分からない場合は、リスクの高い選択だと言えます。
ポイント②従業員の平均年齢が極端に若くないか
従業員の平均年齢が極端に若い場合も注意が必要です。このデータは高頻度で人が入れ替わっている状態を示唆している可能性があります。
離職率が高く、人が定着しない環境を疑うべきです。こういった企業は求人サイトで常に大量の人員募集をかけているので、合わせて判断してみましょう。
企業の種類や方針にもよるため一概には言えませんが、少なくとも注意して分析するケースではあります。
ポイント③会社紹介が抽象的な言葉ばかりで分かりにくい
求人に掲載される会社紹介が、抽象的な一文ばかりになっている場合も気を付けましょう。
一部を紹介するなら「アットホーム」「チャンスは無限大」「笑顔が絶えない」「個性を活かせる」などです。
魅力的な言葉ではありますが、働く環境について具体的なことは何一つ分かりません。
この言葉があればブラックだと断定するものではありませんが、耳触りの良い言葉にとらわれず判断することが大切です。
ポイント④裁量労働制の有無
裁量労働制とはみなし労働時間を設定し、それに準じた報酬をもらう労働形態です。みなし労働時間が7時間なら、実際の労働が6時間でも7時間分の給料がもらえます。
短い時間で仕事をさばける能力の高い人ほど、享受できるメリットが大きいです。一方で裁量労働制には気になるデメリットも存在します。
業務が長引いても基本的には残業代が出ないこと、月平均の労働時間が一般労働者を上回っているケースがあったことです。
制度を悪用すれば残業代を払うことなく長時間労働を促すことも可能なため、裁量労働制の有無と対象の業務範囲をしっかりと確認しておく必要があります。
転職エージェントの利用がおすすめ
ポイントを理解したとしてもブラック企業を見分ける自信がない、そんな方には転職エージェントの利用がおすすめです。
企業の詳細な情報を手に入れられるため、ブラック企業を避けつつ中小ITへの転職を目指すことも可能となります。
どんな転職エージェントを選んだらよいか分からない方のために、3つのおすすめサービスを以下にピックアップしました。
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【中小IT企業はやめとけ】の真意とは?まとめ
【中小IT企業はやめとけ】と言われつづける理由でいちばん大きなものは、ブラック企業が多かった過去のイメージです。
ブラック企業は少なくなっていますが業界構造自体は変化していないため、転職時には見分ける力が必要となります。
IT業界でも多数を占める中小ITを、言葉どおりに転職先候補から外すのは現実的ではありません。【中小IT企業はやめとけ】の真意は「ブラック企業を避けろ」です。
見分けるポイントをしっかり押さえて、自分にとっての最適な企業を選んでみてください。