未経験者にも間口を大きく開いているSES。
エンジニアへ転職を考える時に選択肢の一つにもよく入ります。
SESはやめとけとうわさを聞くけど、実際はどうなのか気になるところではないでしょうか。
このような疑問にお答えします。
環境が悪いSES企業があることも事実です。
ただし、全てのSES企業がそういうわけではありません。
大事なのは優良なSES企業を見分けることです。
SESの実情を知りたい方は参考にしてください。
- SESやめとけと言われる理由
- 未経験にはSESがおすすめの理由
- SESブラック企業の特徴
SESはやめとけと言われる理由は5つ
SESはやめておけと言われる5つの利用方法を紹介します。
- ①年収が低い
- ②キャリアアップが望めない
- ③人間関係が難しい
- ④休日出勤がある場合も
- ⑤40歳前後は仕事が決まらない可能性がある
それぞれの理由について詳しく解説します。
SESやめとけの理由①年収が低い
SESは年収が低い傾向です。
理由としてSESは下請けの仕事が多く、間に請負業者が挟むと会社がもらうお金も少なくなります。
そうなると従業員への給料にも反映がされません。
また、お客先と会社が契約する時も請負契約ではなく準委任契約となることも多い。
請負契約は成果物に対してお金が支払われますが、準委任契約は労働時間に対して報酬が支払われます。そのため、お金は一定でもらえますが、増えにくい側面があります。
以上のような理由がSESが年収が低い理由と言えます。
SESやめとけの理由②キャリアアップが望めない
SESは常駐する客先がプロジェクトごとに変わっていきます。
そのため、一つの場所に所属する期間も短い場合があるので、スキルが身につかないまま、他のプロジェクトに移されてしまいます。
また、プロジェクト先によっては雑務ばかりやらされることも少なくない。
雑務の例でいうと完成品のテストやドキュメントの修正です。
このような仕事ばかりだとスキルが身につきません。
プログラムが書ける環境でないと成長が遅くなってしまいます。
もし、プログラムが書けない現場に配属になった場合は配属先を変えてもらうように提案をするといいでしょう。
もし、変更の提案を受け入れてもらえない場合は半年〜1年ほど在籍すれば、転職活動する時もマイナスになりません。
他の優良なIT企業に転職をすることをおすすめします。
SESではキャリアアップが望めない現場があるので、注意しましょう。
SESやめとけの理由③人間関係が難しい
SESがやめとけと言われる理由に人間関係が難しいことが挙げられます。
SESは期間を決めて現場に配属されます。
そのため、1つの現場が終わると、次の新しい現場に配属されます。
新しい現場では新たに人間関係を構築しないといけないので、ストレスに感じる人も多いです。
人間関係を構築できないと疎外感を感じたり、仕事についていけなかったりします。
対処法はコミュニケーション力を磨いて慣れるか、圧倒的スキルを身に着けて自分一人で仕事ができるようになるかのどちらかです。
ただし、最初は技術も乏しいのでコミュニケーション力を磨いていくほうがいいでしょう。
SESやめとけの理由④休日出勤がある場合も
SESがやめとけと言われる理由に休日出勤がある場合があります。
SESが派遣で行くクライアントのプロジェクトは納品期限ありきです。
進捗状況が遅れていて、納品期限が近付くと休日出勤する可能性もある。
ただし、納期期限前に休日出勤や徹夜で仕事をしなければいけないのは受託開発企業でも一緒です。
気になる方は事前に休日出勤はどのくらいあるのかを確認しておくといいでしょう。
SESやめとけの理由⑤40歳前後は仕事が決まらない可能性がある
SESは年齢を重ねると勤め続けるのが難しくなる場合があります。
理由として、若い人のほうが金額も安く、依頼をしやすいため。
30代後半になると単価も上がり、経験と知識がある分、扱いが難しいと思われてしまうことが理由です。そうなると、派遣先が決まりにくくなり、最終的には退職を進められることもある。
しかし、SESで3年ほど経験を積むことができれば、スキルも身についている可能性も高いので受託開発企業や自社開発企業への転職を検討したほうがいいでしょう。
そうすることで派遣先がなくて仕事がない状態を避けることができます。
年齢を重ねて仕事がないことも事前に対策をしておけば、問題はないでしょう。
エンジニア未経験者にはSESへの転職がおすすめ
エンジニア未経験の方はSESがおすすめです。
現在は求められるスキルが上がっているため、IT企業などに転職するハードルも高いです。
その点、SESは人材が足りないところに派遣するのが仕事のため、大量に採用していることが多い。
つまり、未経験者の間口が開いているということです。
そのため、IT企業への転職が難しい場合はまずはSESで経験を積むといいでしょう。
注意点としてはSESは現場の当たり外れが激しいことです。
外れの現場を引いてしまうと雑務ばかりやらされて、スキルが身につきません。
事前に評判や仕事内容をしっかりと調べたうえでSESの企業を選ぶようにしましょう。
SESの基本情報について解説
SESの基本情報を紹介します。
- ①SESは契約先の企業に常駐・派遣されて働く
- ②SESの指揮命令権は「雇用会社」が持つ
- ③SESとSIerの違いについて
- ④SESの平均年収の目安
それぞれの情報について詳しく解説をします。
①SESは契約先の企業に常駐・派遣されて働く
SESは契約先の会社に常駐して働きます。
仕事内容やルールは契約形態で変わります。
派遣先から依頼される仕事が雑務ばかりで何か伝えることがあっても自分が所属する会社を通すことになります。
雇用会社と派遣されている会社の間で仕事をすることになるので、何かと気になる部分はでてくるかもしれません。
派遣されて仕事をしている分、肩身が狭いなどの心配はあるかもしれませんが、ちゃんとコミュニケーションを取れていれば問題はないでしょう。
②SESの指揮命令権は「雇用会社」が持つ
SESの指揮命令権は雇用会社が持ちます。
指揮命令権とは働く人に対して、指示を出す権利を言います。
SES契約では命令権は客先ではなく、所属する会社です。
対して、派遣契約で指示を出すのは客先の企業です
事前に指示命令権の契約はどうなっているのかを確認しておいた方がいいでしょう。
もし、SES契約で派遣先が指示などを出している場合は偽装請負契約となり、契約違反となります。
SES契約は技術の提供が主な仕事のため、指示命令権は雇用会社になります。
③SESとSIerの違いについて
SESとSlerの違いについて詳しく解説をします。
Slerとは受託して開発をすることのことで顧客様に代わって、ITに関わるシステムの開発や運用、保守をまとめて企業が請け負う形態になります。
SESもSlerも技術を提供する面では変わりはないですが、提供の仕方が違います。
SESはエンジニアを派遣し技術の提供をして、その労働時間に対して、お金が発生。
一方でSlerはシステムの開発をし、システムの成果物に対してお金をもらいます。
そのため、契約のかたちもSESは作業そのものに対して報酬が出るので準委任契約、Slerは仕事の成果に対して、お金がでるので、請負契約となります。
つまり、お金がでるのが労働時間に対してなのか、成果物に対してなのかの違いです。
Slerは全行程のシステムに携わることができるので、まんべんなく知識をつけることができます。
その代わり、プログラミングに特化してスキルを身に着けることは難しい。
SESは1つの工程で技術提供をすることが多いので、プログラミングスキルに特化して身に着けることができます。
全体的に知識をつけたい場合はSler。
専門的なスキルを身に着けたいなら、SESがいいでしょう。
④SESの平均年収の目安
SESのはっきりしたデータは出ていませんが、類似している職種のSlerの平均年収が473万円です。
一般的な平均年収は461万円です。
比較するとSESの平均年収は低くはありません。
しかし、中には平均年収が300万円程度しかないSES企業もあるため、注意が必要です。
SESはスタートは低いかもしれませんがちゃんとした会社で経験を積んでいけば、年収は上がっていくでしょう。
優良企業のSESへ転職するメリット
優良企業のSESへ転職するメリットを紹介します。
- ①エンジニア未経験からでも転職が可能
- ②幅の効くスキルを身に着けることが出来る
- ③有名企業で働くことが出来る
- ④残業時間が少ない
- ⑤スキル次第ではフリーランスを目指せる
それぞれの特徴について詳しく説明をします。
①エンジニア未経験からでも転職が可能
SESは未経験でも転職がしやすいのが一番のメリットです。
IT業界が人材不足でも未経験者には転職が厳しいのは事実。
その中でSESは大量に採用をしているところも多く、未経験でも転職ができます。
エンジニアになりたいけど、なかなか採用されない人にとってSESは救いの手になるでしょう。
優良のSES企業に入社することできれば、自社開発企業の会社と同じかそれ以上の年収を目指すこともできます。
まずはSESに入社してスキルを身に着けて、ステップアップするといいでしょう。
②幅の効くスキルを身に着けることが出来る
SESは様々な現場に常駐して働くことができます。
そのため、常駐する会社のスキルを吸収することができ、幅広いスキルを身に着けることができます。
その中で自分が好きな言語やジャンル、スキルを身に着けて、今後のキャリア形成にも大きく役に立つでしょう。
また、現場で人脈を作ることができるため、将来フリーランスになる場合も知り合った人から案件を紹介してもらうこともあるかもしれません。
SESで働くメリットは幅広いスキルを身に着けることができることと、人脈を形成できることです。
③有名企業で働くことが出来る
SESは契約した企業に行って働きます。
その中には大手企業なども入っているので、普通ではなかなか働くことができない会社で仕事をすることができます。
大手企業のきれいなオフィスやそこで働く人たちをみてモチベーションも上がることでしょう。
また、企業の施設も利用することができるので、ちょっとした恩恵を受けることもできます。
何より、大手企業で働く人たちの仕事ぶりを見ることで自分のスキルも一緒に引き上げられることが大きなメリットでしょう。
④残業時間が少ない
SESの会社は残業が少ない傾向にあります。
理由として、常駐する会社とは準委任契約を交わします。
準委任契約は成果物ではなく、労働時間に対して報酬の支払いが発生。
成果物ができてなくても働く義務はないので残業時間が少ない傾向にあります。
SESのメリットは長時間労働をさせられる心配が少ないがないところです。
⑤スキル次第ではフリーランスを目指せる
SESのメリットはスキル次第でフリーランスを目指すことできることです。
SESは色々な企業で複数のプロジェクトに関わることができます。
そのため、幅広いスキルと経験を積むことができ、フリーランスになった場合も役立つことになるでしょう。
フリーランスの場合も一つ案件が終わるとまた別の案件に携わるという点では SESと似た部分があります。
SESだからこそ、いろんな現場でスキルをみがくことができるが大きなメリットと言えるでしょう。
フリーランスになることで、自分の技術でお金を稼ぐことができる会社に頼らない生き方ができます。
SESで技術を積んだら、将来のキャリアプランとして考えておくのもおすすめです。
SESのブラックリスト企業の特徴について
SESの中にはブラック企業も多いことも事実です。
ブラック企業の特徴は以下の通りです。
- 社員の年齢層が20代ばかり
- 仕事が5次請けや6次請で会社の手残りが少ない
- 常に求人を募集している
社員が20代ばかりの会社は注意が必要です。
業界を知るベテランが定着していないということは何か問題があるためです。
仕事が5次請けや6次請けばかりだと会社に残る金が少なくなります。
つまり、そこで働く従業員の給料も少なくなるということです。
仕事を間を挟まずに受注できるかは会社の力量によります。
常に募集してる会社は人が定着していないということなので、ブラックである可能性も非常に高いです。
以上のような点に注意しながら、会社を見てブラック企業に入社しないようにしましょう。
【まとめ】SESはやめとけと言われる理由は?叩かれる訳とメリットも紹介
SESをやめとけと言われる理由について解説をしました。
SESは給料が安い、ブラック企業の存在などデメリットもありますが、未経験者の間口が広いなどのメリットもあります。
未経験者でエンジニアへの転職を考えてる方は、SESも検討の一つに入れてもいいでしょう。
エンジニアが人手不足とはいえ、簡単に転職できるものではありません。
まずはSESで経験を積んでから自社開発企業など優良な IT 企業へ転職することをおすすめします。