スマホのおかげで身近になったアプリ、その開発を担うのがアプリケーションエンジニアです。需要の高いエンジニア職のため、これからアプリケーションエンジニアを目指すというかたも多いのではないでしょうか?
一方でアプリケーションエンジニアについて、次のような感想を抱いているかたもいるようです。
本記事ではアプリケーションエンジニアの仕事内容や年収について解説、ほかのエンジニア職との違いやきついと言われる理由について紹介しています。上のような悩みも解決できますので、ぜひ最後までご覧ください。
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アプリケーションエンジニアとは?基本情報を紹介
冒頭で紹介したとおりアプリケーションエンジニアとは、web上やスマートフォンで動くアプリを開発するエンジニア職です。
アプリ開発の需要は高まっていく一方ですから、アプリケーションエンジニアの希少性も同様に高まっていくことでしょう。
アプリケーションエンジニアは企画から開発、テスト作業やメンテナンス保守まで、すべての工程に関わる仕事となります。
開発するアプリケーションは主に業務系、web系、スマートフォン系の3種類に分かれますが、基本的な仕事内容は一緒です。
アプリケーションエンジニアの仕事内容
アプリケーションエンジニアの仕事内容について解説いたします。一般的な工程は次に示すとおりです。
- ①アプリの設計業務
- ②アプリのプログラム開発
- ③開発プログラムの検収作業
- ④アプリのメンテナンス
各項目について紹介していきます。
①アプリの設計業務
要件定義と言われる工程です。依頼先と打ち合わせして、作成するアプリの形を決めます。あとに続く開発工程のために、機能やデザイン・動作の流れなど可能な限り具体的なイメージが必要です。
依頼先の要望をしっかりと聞きながら、アプリの設計を進めます。設計業務の工程を任されるかどうかは個人のスキルに影響することが多いので、すべてのアプリケーションエンジニアが携わるわけではありません。
②アプリのプログラム開発
設計にしたがって、実際にプログラムを開発していく工程です。複数人のプログラマーで作業を進めていくこともあるので、管理スキルが必要な場面でもあります。
希望どおりにアプリが動作してくれるかが決まる重要な工程です。
③開発プログラムの検収作業
動作テストにあたる工程です。設計どおりの動きになっているかをチェックします。ただ単に動いているかだけを確認するのではなく、ユーザー目線から使い勝手のよさを判断するのも重要です。
不具合や改善点があれば、修正作業に取りかかり再びテストを行います。
④アプリのメンテナンス
アプリを完成させたら終わりではありません。納品後の定期的なメンテナンス作業も、アプリケーションエンジニアの仕事です。
実際の作業を請け負うこともありますし、計画書のみ作成して作業は別のエンジニアが行うパターンもあります。
トラブルが発生した場合は緊急で対応する必要があり、依頼があればアップデート作業も行う気の抜けない工程です。
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アプリケーションエンジニアの平均年収
仕事を選ぶうえで気になるのは、期待できる年収ですよね。アプリケーションエンジニアの平均年収は約440~560万円、データに幅があるのはスキルや環境によるところが大きいからです。
スキルは上流工程やマネジメントの経験、環境は依頼先の規模や方針を指します。年収幅のほとんどが、日本人平均年収である約461万円(対象は源泉徴収義務者)より上です。
全体の年収幅では約323~922万円となっていますので、稼げるか稼げないかは条件次第であることがわかります。(参考:doda、求人ボックス、国税庁民間給与実態統計調査)
アプリケーションエンジニアがきついと言われる6つの理由
仕事内容や年収を理解したところで、本題であるアプリケーションエンジニアがきついと言われる理由について見ていきましょう。主な理由は次に示す6つになります。
- バグの発生な急な仕様変更による残業時間増加
- 属人化しやすく自分だけの作業量が増える
- 客先常駐で人間関係につかれる
- アジャイル開発への適応がきつい
- 技術変化が激しく常に勉強する必要がある
- 人員不足で担当する業務範囲が広い
それぞれの項目について詳しく解説します。
理由①バグの発生な急な仕様変更による残業時間増加
開発作業にとって、バグや急な仕様変更は避けて通れない道です。納期が決まっている以上、残業や休日出勤での対応になります。特に仕様変更は、依頼先の意向によるパターンもあるでしょう。
ある程度の残業時間増加は覚悟しておく必要があります。
理由②属人化しやすく自分だけの作業量が増える
属人化とは、ある種の仕事が担当している人だけにしかわからない状態を指します。属人化してしまうと、ほかの人には仕事のやり方・進捗状況など一切見えません。
緊急時でも自分しか対応できないため、負担も増加します。開発においては、複数人がそれぞれ得意な部分に携わって仕事をするパターンが多いです。その結果、仕事が属人化しやすいという状況が生まれています。
理由③客先常駐で人間関係につかれる
開発が客先常駐だと、人間関係につかれるという人もいます。サイクルが短いと数か月で働く環境が変わっていき、その都度新しい人間関係を構築するのが客先常駐です。
人脈の拡張やメリハリがつく観点ではメリットと言えますが、人付き合いが苦手な人にはストレス要因になっても不思議ではないです。
理由④アジャイル開発への適応がきつい
アジャイル開発とは、全体の工程を短く区切り「設計・開発・テスト」を繰り返すことでシステムの完成を目指す手法です。要望にも柔軟に対応できるうえ、開発スピードも速いのが特徴となります。
依頼する側が好む手法ですが、エンジニア側にとってはすべてが好ましいとは言えません。
スケジュール管理が困難で時間的余裕も少なくなってしまうアジャイル開発は、アプリケーションエンジニアがきついと感じる要因のひとつとなっています。
理由⑤技術変化が激しく常に勉強する必要がある
アプリケーションエンジニアにとって、新しい技術への対応は生き残るための必須条件です。技術の発展が目まぐるしいIT業界において、業務時間外の勉強時間がエンジニアとしての価値を高めていきます。
最新技術の勉強が必要であれ、実際に行動し続けるのは至難の業です。自発的な勉強が不得手な人には、アプリケーションエンジニアはきついと感じるでしょう。
理由⑥人員不足で担当する業務範囲が広い
IT業界自体が人出不足に陥っていますが、アプリケーションエンジニアも例外ではありません。ひとりでいくつもの工程を担うことも考えられます。開発現場では少数精鋭でチームを組むことも多いです。
特にその傾向が強いベンチャー企業では、自分の得意分野以外も担当する可能性が高くなります。すべてに当てはまるわけではないですが、枠を超えた業務範囲の広さもきつさを感じる原因のひとつです。
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アプリケーションエンジニアとほかのエンジニアの違いを解説
アプリケーションエンジニアがつらいと言われる理由を解説しましたが、ほかのエンジニア職ではどうなのでしょうか?
ここからはwebエンジニア、システムエンジニア、インフラエンジニアの3つとアプリケーションエンジニアを比較して違いを見ていきます。(参考:求人ボックス、厚生労働省賃金構造基本統計調査)
アプリケーションエンジニアとWebエンジニアの違い
まずはwebエンジニアとの違いです。webエンジニアとはweb上で動くシステムやアプリケーションの設計・開発に関わる仕事となります。
アプリケーションエンジニアは特定のOS上で動作するソフト(アプリ)を設計・開発するのが仕事で、web以外にも業務用やスマートフォン用も含むのが違いです。
webエンジニアは担当領域により、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに分かれます。仕事内容やきついと感じる部分など、アプリケーションエンジニアと似ている箇所が多い職種です。
平均年収はwebエンジニアが若干上ですが、アプリケーションエンジニアと同じくスキルや環境によって大きく変動します。
アプリケーションエンジニアとシステムエンジニアの違い
次はシステムエンジニアとの違いです。システムエンジニアもアプリケーションエンジニアと近い仕事内容となりますが、OSも含めた大きなシステムの開発に携わる点に違いがあります。
アプリケーションエンジニアでは開発からあとの工程を担うことが多いですが、システムエンジニアは上流工程から携わるのが一般的です。管理者側の職種であることから、コミュニケーション部分でのきつさがあります。
平均年収は約498万円とアプリケーションエンジニアより下がる印象ですが、令和3年度の厚生労働省調査からでは700万円以上の金額が見てとれる状況です。
システムエンジニアの年収も、依頼先の条件によるところが大きいのでしょう。
アプリケーションエンジニアとインフラエンジニアの違い
インフラエンジニアを簡単に説明すると、サーバーやネットワークを組み立てる仕事と言えます。
アプリケーションエンジニアやシステムエンジニアは開発を担当しますが、インフラエンジニアはその開発のベースとなる環境を構築するのが主目的です。
担当する領域によりサーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアに分かれます。構築後の保守・メンテナンスも重要な仕事です。
プログラミング技術はあまり必要としませんが、サーバーやネットワークに関する幅広い知識が求められます。平均年収は約538万円、日本人の平均年収よりも高い傾向です。
仕事の成果や自身の成長を実感しにくい点に、きつさを感じる人が多いようです。
アプリケーションエンジニアがきついと感じたら転職がおすすめ!
実際にアプリケーションエンジニアとして働いてみてきついと感じたら、思いきって転職を考える人も多いでしょう。ここではアプリケーションエンジニア向けにおすすめの転職先をご紹介します。
プロジェクトマネージャーへ転職
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの進行を管理する業務です。計画書作成からスケジュール管理、重要な場面での意思決定と、プロジェクト成功の鍵を握る部分を担います。
必要なスキルはコミュニケーション能力やマネジメント力です。アプリケーションエンジニアで上流工程に関わった経験は、プロジェクトマネージャーへの転職にプラスとなります。
開発現場につかれた人、管理スキルを持った人におすすめの転職先です。
社内SEへ転職
クライアントからの依頼に対して稼働するSE(システムエンジニア)と違って、自社のシステム開発・運用するのが社内SEです。開発・運用だけでなく、ヘルプデスクのような仕事もこなす場合があります。
幅広い業務に対応する必要がありますが、残業は比較的少ない傾向です。システムエンジニアと同じく、コミュニケーションやマネジメント能力が必要とされるエンジニア職になります。
アプリケーションエンジニアでの開発・保守経験が生かせる点でおすすめです。
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アプリケーションエンジニアはきつい? まとめ
アプリケーションエンジニアがきついと言われる理由は、残業や休日出勤といったものでした。客先常駐や開発現場への適応、学習の必要性も業務の特性からすれば仕方のないものです。
ですがIT業界の発展と人材不足を見る限り、アプリケーションエンジニアの需要は高まり続けます。それゆえシステムエンジニアのように、平均年収が徐々に増加していく可能性もあるでしょう。
もし耐えられないとしても経験さえあれば、ほかのエンジニア職へ転職するすべもあります。
アプリケーションエンジニアがきついと感じる人も確かにいますが、将来性のあるエンジニア職であることは間違いないようです。