転職、それは人生の大きな分岐点です。
慣れ親しんだ環境を離れ、全く知らない場所で新たなキャリアを築くことは大きな不安が付き纏います。
しかし、今後の成長に繋がる可能性を秘めているのも事実です。
最近では、転職先として大企業だけでなく、スタートアップへの転職も増えています。
自身が立ち上げメンバーとなったり、経営の主力として活躍する機会を得るなど、大企業にはない刺激やスピード感が得られるというのが主な理由です。
そこで、今回はスタートアップへの転職を考える30代の方向けに、ポイントや注意点等を記事にしてみました。
本記事をスタートアップへの転職の参考にしてみてください。
【重要】30代のスタートアップ転職で絶対に注意すべき4つのこと!
スタートアップへの転職を目指すにあたり、注意しなければならないポイントはどこなのか、知りたい人もたくさんいるのではないでしょうか。ここでは、どのようなポイントに注意して転職をするべきかを書いていきます。
ネットに載っている年収、給料は間違いないか
インターネットが発達した昨今では、少し調べれば正しい情報を得られることは非常に多くなりました。
しかし、スタートアップの中でもまだまだ内部実態がわからない会社も多く
「思っていたほど貰えない」
「実は残業代込みの想定年収だった」
「給与算出基準が曖昧」
などギャップが多いのも事実です。
また、会社そのものも発展途上であることから、年度によって給料がバラつくこともあるかもしれません。
転職を狙うのであれば、事業の優位性やビジネスモデル・競合の存在等から将来性等を鑑みると同時に、「リアル」な情報を探ることが大事です。
【大切】私生活に影響が出てストレスがたまらないか
一般的に短期間で大企業になった「メガベンチャー」を除けば、大半のスタートアップ企業は中小規模の会社となっています。そのため「少数精鋭」を掲げ、少ない人数で効率的に働くことを目指す会社が多いです。
上記環境から、必然的に一人に割り振られる業務量が増えることが想定されます。慣れないうちは残業過多になり、多くの時間を業務に充てることになるでしょう。そうなると、家族との時間も取れない程仕事に追われることもあるかもしれません。
それでも「社長の理念に共感」「このプロダクトを世界一にする」など、熱意を持った社員が多いのがスタートアップやベンチャー企業の特徴です。果たしてそのような環境で自分自身が楽しめるのか、事前にしっかり確認し、問い直すことが大切です。
スタートアップ企業で主体性を持って会社を成長させる気持ちがあるか
大企業との大きな違いとして意識しておくべきことは、会社に「ぶら下がる」意識では成功しないということです。基本的に大きな会社であれば、個人に何かしらの業務が与えられ、その貢献度や寄与度で多少の差こそあれ、安定した給与をもらえることが多いです。
しかし、スタートアップの場合まさに「生きるか死ぬか」の世界です。安定は後から付いてくるもので、それを得るために日々仕事をしています。
今までの経験が当てにならないことは多々あると思いますが、そのような状況の中でどれだけプライドを捨てて、必死に解答を探せるのかが大切です。
出来ることから解決策を得るのではなく、解答を探し、自ら答えを作っていくことが必要になります。会社という組織を「後ろ盾」と捉えるのではなく、自分を「活かす場所」として捉え、どれだけ組織にコミット出来るのかが大事になると言えます。
環境の変化が苦手な人は要注意!
ここまでの部分を総括すると、スタートアップに向いている人の特徴として
- チャレンジ精神豊富な人
- 柔軟性のある人
- 主体的に動ける人
- 自身と会社の成長を楽しめる人
が挙げられます。
新しいことに臆することなく挑戦できる人や、自分で仕事を作ることができる人には最適と言えるでしょう。
- 定年まで勤め上げたい人
- 年功序列の給与体系を求める人
- ワークライフバランスを求める人
- 仕事や指示を待つ人
は向いていないかもしれません。自身だけでなく、会社を取り巻く環境変化も激しいため、それがストレスに感じる人にはオススメ出来ません。
30代のスタートアップ転職を成功させる3つのポイント!
上記では、スタートアップへの転職にあたり注意するべきポイントについて述べました。それでは注意するべきポイントを踏まえた上で、実際に転職を成功させるにはどのような部分がポイントとなるかを見ていきましょう。
会社の社員に労働環境などについて直接話を聞くこと
大企業と違い、スタートアップ企業は社員と社長の距離が近いことも多いです。面接の場面だけでなく、セミナーでも社長自ら登壇し、話をすることも珍しいことではありません。
また、最近では転職希望者向けに、食事をしながら忌憚なく意見交換できる「交流会」等も頻繁に開催されています。そのような各種機会を通じて、現役の社員に労働環境やギャップ等、自身の不安点を洗い出し、質問してみるのも良いかもしれません。
また、ベンチャー企業に勤める友人がいれば、そこから状況や動向を探るなど、得られる情報は全て得て検討するべきでしょう。
ベンチャー企業でやりたい事を明確にする
スタートアップへ転職をするとなると、大事になるのは「なぜスタートアップなのか」という部分です。大企業に勤めていると、どうしても組織の中の一つの「コマ」として自分を見てしまいます。そのような環境から見ると、スピード感を持って主体的に働くスタートアップの環境がよく見えてしまいます。
ただ、「隣の芝は青い」とはよく言ったもので、実際に自分が入るとなると、理想と現実のギャップに苦しむ人が多いのも事実です。理念やプロダクトに共感するのも大事ですが、一番大事なのは自分がスタートアップで何がしたいのか、それを論理的に言語化することです。
それがプロダクト軸であれ、業務軸であれ、その会社で自分がやりたいことが明確になっていることは大切なポイントとなります。
【重要】より多くの企業について調べる
入社時のギャップを埋めるためにも、自分の中で項目を細分化し、企業を調査することが大切です。会社の財務状況や倒産リスクを確認するのは当然として、事業の成長性やビジネスモデルを調査し、それらを考慮するのが良いでしょう。
また、上述の「交流会」等を通して、様々な企業規模の方と話をすることによって、働き方や給与体系・勤務状態などのリアルな部分を知ることも有効になるのではないでしょうか。もちろん業種が違っていたとしても、スタートアップやベンチャー企業での勤務経験がある人の話を聞くのも大切です。
スタートアップやベンチャーに転職する3つのメリット
スタートアップへの転職にあたり、どのような点に注意するのか、またどのような点がポイントになるのか述べてきました。そこで、実際にスタートアップやベンチャーに転職した場合、どのようなメリットが得られるのかを以下で述べたいと思います。
個人の裁量が大きいので、経営に深く携われる
スタートアップへの転職をする上でメリットとなるのは何と言っても会社の「経営」に携われれることです。少ない人手で部署を運営しなければならないため、新しい事業や部署の設立等があれば、必然的に裁量権のあるポジションが回ってきます。
また、企業規模問わず新規事業推進などの業務を担当してきた人は、スタートアップ転職後も即戦力として、より裁量権の多いポジションのオファーを得られるでしょう。結果的に、転職前で得られなかった充実感を得られるのではないでしょうか。
独立や、起業したい方には良い経験になる
一般的に、スタートアップ企業に入れば、ゼロから事業を創り出す機会が多く得られます。そうしなければ企業として激しい競争を勝ち抜けないというシビアな側面があります。総合商社やコンサルティング出身者が必死になりながら日々戦っているのがスタートアップの世界です。
また、人手が少ない分、大企業のように職種軸で縦割りになることもなく、幅広い業務に携わることができます。スピード感を持ってPDCAを回し、主体的に経営に携わるスタートアップの業務経験と、ゼロベースから事業を創出する力を養うことができるため、将来独立や企業を目指してる方にはとても良い経験になるでしょう。
仲間と同じ大きな目標に向かって頑張れる
スタートアップやベンチャー企業の特徴とも言えるのが、社員間の「共通項」を持っていることです。
- 経営者へのリスペクト
- 経営理念への共感
- プロダクトへの共感
など、これらの共通項が生むチームワークというのは大企業ではなかなか得難いものです。それだけの仲間がいるからこそ、業務量の多さや周囲の声を気にせずやれるとも言えます。上場や世界一など大きな目標を掲げている企業も多く、チームとして目標を持って熱くやりたいという人にとっては向いているのではないでしょうか。
【必読】スタートアップ・ベンチャーに転職したい方へ
ここまでスタートアップ・ベンチャー企業への転職について、注意すべきポイントや成功に向けたポイント及び転職のメリットについて述べてきました。ここからはスタートアップやベンチャーに転職する上で最も大事なことを述べていきたいと思います。
30代とか40代は関係ない!!
「転職は20代まで」「30代は即戦力」「40代はマネジメント力必須」など、転職に辺り、年齢に基づく多くの格言めいたものを聞くことがあると思います。実際筆者自身も転職の際多くの言葉を耳にし、戦々恐々としたものです。
しかし、転職市場の分析や経験の棚卸しをしっかりやれば、決して不可能なことはではありません。大事なのは、「本当に転職をするんだ」という強い覚悟と、それに伴う行動を実践することです。
【超重要】本来の目的や実現したい事を忘れない!!
そもそもなぜ転職をするのでしょうか。
やりたいことがあったとして、今の会社ではそれが実現できないのでしょうか。
転職して、自身はどうなりたいですか。
転職先の会社でどのような夢や社会課題を解決したいですか。
もっと言えば、どんな人生を歩みたいですか。
今できることは少ないかもしれませんが、大事なのは「何がやりたいのか」「自分がどうなりたいのか」を明確にすることです。
その所謂根幹の部分が明確になっていることで,自分自身が躓いた時や、苦しい時の糧になってくれるはずです。
周りの友人などに必ず相談するべき
転職は人生を変える大きなイベントです。生活環境や仕事への考え方等、社会人としてのアイデンティティを大きく変える可能性があります。自分一人で「やりたいこと」や「やるべきこと」が明確になっているのであれば良いですが、大半の方は半信半疑の状態の中で答えを探ることになるのではないでしょうか。
そんな時は一人で思い悩むことなく
- 転職経験のある人に相談する
- 今の会社の上司・先輩と話す(またはよく観察する)
- 友人に相談する
など、多くの人へ相談して、意見を聞いてみるのが大事です。折り紙のように、折り曲げた時に自分とぴったりと重なるような人はいません。
ただ、その中でも諦めずに情報収集をすることが後々大きな意味を持ってきます。
さて、ここまでスタートアップ企業への転職について書いてきました。
しかし、友人や家族への相談となるとやはり個人の経験やアイデンティティに基づいた意見が多く、主観的で偏ってしまうと懸念される人も多いのではないでしょうか。
また、自分と似たような人がどのようなステップを経て転職したのか気になる方も多いと思います。
そこで、転職市場や各業界に精通した転職エージェントの力を活用するのはいかがでしょうか。やはり業界のプロであり、具体的な履歴書の書き方や面接対策・更に企業とのパイプなど、一人では到底得られないメリットを教授できます。
「転職しようか迷っている」「とりあえず今の自分の市場価値を知りたい」という状態でも、是非話を聞くことをお勧めします。
大事なのは、自分の悩みや思いに正直に、そしてそれを行動にすることです。
まとめ〜30代のスタートアップ転職を成功させるために絶対に注意すること4選!〜
スタートアップへの転職を目指すにあたり、そのポイントやメリット等について述べてきました。実際に転職してみなければわからないこともありますが、企業規模やビジネスモデル・転職市場の動向や企業の雰囲気等、事前調査でわかることが大半を占めているとも言えます。
そのような地道な部分を一つ一つを疎かにせず、しっかりとしたリサーチをすれば、入社後のギャップを少しでも埋めることができるのではないでしょうか。
自分一人で難しい場合や友人や転職エージェントの力を借りるなど、「全てを自分てやらないこと」も非常に大事です。転職経験豊富な人や、アドバイザー等情報量が多い人など、頼れるべき人が近くにいることは大切です。
そして、何より大事になるのは「なぜ転職をするのか」「なぜスタートアップなのか」「転職先で何をやりたいのか」「自分がどうなりたいのか」を論理立てて、明確にすることです。
転職の根幹とも言える部分を明確にしないと、仮に面接で誤魔化せたとしてもその後で行き詰まってしまいます。
自分と向き合い、キャリアやスキルの棚卸しをしっかりと行った上で、後悔のない転職活動をしてください。転職をして、その後のあなたの人生が少しでも幸福になるよう、応援しています。