日本のインターネットサービスを担う楽天グループ株式会社、そこに所属するエンジニアの年収が気になりませんか?
言わずと知れた超有名企業ですから、平均年収も高いと予想している方が多いのではないでしょうか。
本記事では楽天エンジニアの年収について情報を公開、社内の評価制度や転職時に注意したいポイントまで解説しています。
ホワイト企業への転職を目指して楽天を候補に入れているという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 楽天エンジニアの平均年収を公開
- 楽天の評価制度を解説
- 楽天の年収内訳について
- 楽天への転職を目指す際に注意したいポイントを解説
【結論】楽天のエンジニア平均年収は約700万円
気になる楽天エンジニアの平均年収は約700万円です。この金額は口コミサイトを参考にしたものになります。
別のデータでは中央値が770万円と出ていますが、勤続年数の平均が6.5年となっているため少し高めになっているようです。
年収が決まるポイントとして楽天は7段階のグレード制を採用しており、実質的な金額はこのグレードによって大幅に変化します。
例えばグレードB(勤続1年)のソフトエンジニアは550万円、グレードA(勤続3年)のフルスタックエンジニアは900万円といった具合です。
転職だと600万円前後からスタート
次に転職の場合を見ていきます。エンジニアとして楽天に中途採用されるには、高いスキルと優秀な実績が必要です。
そのため入社時は下から3番目となる、グレードBBBからスタートするケースが多くなります。
おもに6~7年ぐらいのエンジニアを対象とするグレードで、年収は550万円から650万円の間に収まる傾向です。
小規模のシステムならひとりで設計できて、高難度の実装もできるエンジニアが当てはまります。
グレードが高いと900万円も圏内に
楽天のグレード制は7段階で、B・BB・BBB・A・AA・AAA・Sに分かれます。
ミドルエンジニアに多いBBBから、一段階昇格してAになると期待される年収の最高値は880万円です。
グレードAはエンジニアの経験が10年を超える人材を対象とし、主要部分の設計を担当しながらエンジニアのタスク管理も担うような管理職に近い立ち位置になります。
さらに上のAAに昇格すると年収1,000万円を超えてくるので、グレードAの時点でも年収900万円は十分圏内だと言えるでしょう。
楽天グループ株式会社の平均年収について
ここからはエンジニアの年収ではなく、全職種を含めた楽天グループ株式会社の平均年収を見ていきましょう。
楽天に新卒として入社するとグレードBからスタートします。予測される年収は370万円から420万円です。
そのまま順調に出世できればグレードAAAで推定年収1,500万円前後、グレードSで推定年収2,000万円以上となります。
ちなみに一度上がったグレードが再び下がることはありません。それでは具体的な数字を見ていきましょう。
楽天社員の平均年収は774万円
結論から言うと、楽天社員の平均年収は774万円となります。平均年齢は34.3歳で、平均勤続年数は4.7年です。
Web・インターネット業界の企業では、第6位の年収額となります。
資本金が10億円以上の企業は全国で6,376社ありますが、その平均年収は616万円です。(企業数は平成10年、平均年収は令和3年のデータを参考)
楽天グループ株式会社の平均年収は、同じ規模の企業平均より約1.25倍多いことになります。
20代楽天社員の平均年収は500万円
楽天グループ株式会社の平均年収を年齢別で見ると、25歳で約490万円、30歳で約640万円、40歳で約830万円となります。
このデータは口コミサイトによるものなので実態とは少し違う可能性もありますが、グレードと照らし合わせても予測の範囲内と言えるでしょう。
したがって20代楽天社員の平均年収は500万円辺りということになります。
ITエンジニア20代の平均年収は367万円ですので、年齢別で比較しても楽天グループ株式会社の平均年収はかなりの高水準です。
楽天の評価制度は2種類
楽天の基本となる年収はグレードによって決定されますが、そのグレードを査定するために次のような2種類の評価制度があります。
- コンピテンシー評価による格付け
- パフォーマンス評価│目標に対する成果・実績
グレードをアップさせるにはこの2種の評価とは別に、TOEICの点数を上げる必要もあります。
この点については後述するとして、まずは2種類の評価制度について解説していきましょう。
コンピテンシー評価による格付け
コンピテンシー評価とはおもに基本給に関わるもので、業務への姿勢・意識・価値の提供・スピード感などを鑑みてグレードの格付けを行うものです。
楽天が考える「成功の5つのコンセプト」を求められる11個の要素に分解し、それぞれの項目にしたがって社員を評価しています。
コンピテンシー評価で足りない要素はしっかりと明示されるため、社員はその評価を受けて成長に向けた行動ができるシステムです。
パフォーマンス評価│目標に対する成果・実績
パフォーマンス評価は目標に対する成果・実績を評価するもので、おもに反映されるのはボーナスの内容になります。
実際に達成した数字や実績のみを評価の対象として、社員の勤続年数は加味されません。純粋に何を成したかで評価する制度です。
パフォーマンス評価、コンピテンシー評価、ともに半期ごとの面談で結果が出されるシステムとなります。
楽天の年収内訳について解説
基本の年収はグレードによって決まりますが、それ以外にも年収を構成する要素があります。ボーナス・ストックオプション・残業代の3つです。
以下に楽天の年収内訳3項目と、それに関する補足事項をまとめています。
- 楽天エンジニアのボーナスは30~300万
- 業績に連動してストックオプションを支給
- グレードや部署によってみなし残業手当あり
最後のみなし残業手当は最初から基本給に含まれているので、年収の内訳と言うには不正確ですが注意してほしいポイントなので追加しました。
楽天エンジニアのボーナスは30~300万
楽天エンジニアのボーナスは年2回、支給額は30~300万と幅はかなり広いです。
平均で言えば6か月相当、口コミサイトの情報ではボーナスの額は160万ぐらいとなっています。
ボーナスの査定はパフォーマンス評価によって決まるため、達成した成果や実績が大きいほどボーナスの額もアップする仕組みです。
個人の成果以外に会社自体の業績も反映されるため、条件がそろえば大幅アップも可能となります。
業績に連動してストックオプションを支給
ストックオプションとは自社の株式を一定価格で購入できる権利を指します。楽天の場合では、1回に100から300株程度の購入権利が与えられるようです。
購入価格は所定の計算により算出され、付与された分の金額をストックオプション口座に払い込むことで相当数の株式が入庫されます。
購入できる株式の数はグレードによって変化し、売却するためには一定期間会社に在籍することが条件です。
すべてのストックオプションを売却するには、付与された年から4年間在籍する必要があります。
グレードや部署によってみなし残業手当あり
楽天の基本給には40時間のみなし残業代が含まれています。ですが40時間以上の残業はきっちりと給料が払われるので安心です。
ただし口コミサイトでの平均残業時間は31.6時間のため、追加で給料が払われるケースは少ないと言えます。また一部では裁量労働制を採用している部署もあるようです。
この場合は定められた労働時間の分だけ給料が支払われるため、基本的に残業という概念がなくなるので注意も必要です。
仕事を早く終わらせても給料は既定の時間払われるので得ですが、逆にオーバーした場合は追加の給料が発生しません。
楽天で年収1,000万が可能なポジションはマネージャー以上
楽天は年収1,000万が可能な企業です。グレードがAA以上のマネージャー(管理職)になると年収1,000万が見えてきます。
すでに解説しましたが一度マネージャーになったあとに降格しても、グレードが下がったり給料が下がったりすることはありません。
ひとつ注意したいのがTOEICの点数です。楽天でマネージャーになるためにはTOEIC800点以上が必要になります。
つまり楽天で年収1,000万に到達するには、TOEIC800点以上が必須ということです。
楽天に退職金がないというのは古い情報
IT業界は流動性が高いとして楽天には退職金がなかったのですが、2018年度に退職金制度が導入されています。
しかしながら勤続年数に合わせて支払われるとの記載があるだけで、具体的な内容は公開されていないのが現状です。
長期にわたるキャリア形成を促すため目的で導入され、対象者は3年以上との情報があります。
いずれにしてもこれまでゼロだった退職金が払われるのですから、福利厚生面での魅力が増したと言えるでしょう。
楽天への転職を目指す際に注意したいポイント3つ
記事の最後は、楽天への転職を目指す際に注意したいポイントについてです。おもな内容は次の3つとなります。
- TOEIC600点をクリア可能に
- コーディングテスト対策も必要
- 面接対策はプロにお願いする
この中ではTOEICに関するものが特に肝要です。しっかりと押さえておかないと後悔することになります。
ポイント①TOEIC600点をクリア可能に
グレードに関係しているように、楽天ではTOEICの点数が非常に重要です。入社時にはTOEIC600点が必要になりますので、練度を高めておくことが求められます。
1回きりのチャンスではなく、選考開始から最終面接の間に600点をクリアできれば問題ありません。
そしてもうひとつ気にしておきたいのは、2年後までにTOEIC800点をクリアしたいということです。
入社後2年間は適用されませんが、TOEIC800点を満たしていないと月の給料が10%カットというルールがあります。楽天ではTOEICの対策が重要事項です。
ポイント②コーディングテスト対策も必要
楽天のエンジニア採用には、コーディングテストの対策も必要です。
テストはCodilityというプラットフォームが使われ、英語での出題になります。そのため英語力も求められるでしょう。
コーディングテストはすべてのケースで行われるわけではなく、部署や職種によっては実施されないこともあります。
特にマネージャー候補だと、コーディングテストはほぼありません。エンジニアスキルを見るためのテストですから、事前に調査してしっかりと対策をしておきましょう。
ポイント③面接対策はプロにお願いする
楽天の採用面接は、30分から45分程度の短い時間で行われます。その分密度が高く、付け焼き刃ではとおりません。
面接対策をしっかりするためにも、プロである転職エージェントの力を借りましょう。英語力が重要な楽天ですが、自身が日本人であれば面接は日本語で進みます。
面接対策を上手く行うには情報が重要ですから、転職エージェントの知識と経験を存分に使って後悔のない面接を目指してください。
おすすめは大手との実績が多い転職エージェントで、リクルートエージェントITやレバテックキャリアなどが適しています。
楽天エンジニアの年収はどのくらい?まとめ
楽天エンジニアの平均年収は700万円前後で、国内のIT企業と比べても高水準の金額です。
エンジニアを含む全職種で見ると平均年収は744万円、グレードによる格付けが上がれば年収1,000万円も可能となります。
高評価を受けて年収を上げるには高い技術はもちろんのこと、目に見える成果・日頃の業務に対する姿勢・英語力が必要です。
楽天エンジニアの年収は間違いなくトップクラスの待遇と言えます。ポイントを押さえた転職活動を行って、ぜひ楽天への転職を成功させてください。