SEへの転職を目指す際に、あらかじめ資格を取るべきかどうか悩んでいませんか?
SEへの転職において、資格なしの状態がどう影響するのか疑問に思っている方も多いでしょう。本記事ではSE転職における資格の必要性について解説しています。
記事の後半にはSEにおすすめの資格も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- SEの転職で資格なしは大丈夫?
- 資格がなくてもSEとしてやっていけるのかに対しての回答
- SEへの転職を目指す際におすすめの資格を紹介
- SEとしてキャリアアップできるおすすめの資格も紹介
【結論】SEの転職は資格がなくても問題なし!
結論から述べますと、SEの転職において資格が絶対条件となるケースは少ないです。採用条件に特定の資格所持と記載されていない限りは問題ないでしょう。
資格は知識の証明であって、経験やスキルの裏付けとはならないからです。企業はこれまでの職務経験やポテンシャルを軸として、求める人材に合致するのかを判断します。
資格の有無が主な原因で転職が失敗となるのは非常に稀なパターンです。SE転職の成功率に関しては資格なしでも大丈夫と言えます。
新卒の場合とSEの転職における資格の重要度
資格を持っていること自体が転職の成功率に影響することは少ないですが、一定の面において資格取得が意味をなすシーンも存在します。
状況によっては資格を持つことの価値が上がる場合もあるのです。ここでは新卒と転職のケースを見比べる形で、資格の重要度が増すシーンを解説していきましょう。
新卒なら資格以上に向上心が重要
まずは新卒の場合ですが、こちらも転職と同じように資格の有無はそれほど重要ではありません。実務経験の少なさが予想される新卒では、ポテンシャル採用が一般的です。
SEでは業務と学習を並行して行うことのできる資質が必要なため、採用する側は向上心や忍耐力の高さに注目します。
新卒に対しては、質の高いエンジニアへ成長しながら長く活躍できる人材を求めているからです。資格だけではエンジニアとしての将来性を想像できないため重要度は低いと言えます。
転職者は即戦力となる資格やスキルが重要
転職では新卒と違って、資格の重要度が変化することがあります。それはIT業界が未経験でSEへの転職を目指す場合です。
転職のケースでは即戦力となれる人材が優先的に採用されます。ですからSEの転職においても、これまでの実績やスキルが重要視されることは間違いありません。
即戦力という条件を満たしづらい未経験では、ITに関する最低限の知識も必要条件となります。資格を提示できれば知識を証明できると同時に、ほかの求職者との差別化も可能です。
アピールできる要素が少なくなってしまう未経験の転職に限り、資格があったほうが良い状況につながるケースも考えられます。
システムエンジニアの求人数について
SEの転職において資格なしでも問題とならないのは、即戦力となる人材を求めている企業が多いという背景からです。
エンジニアの売り手市場が変化すれば状況が変わる恐れもありますが、IT業界の人材不足は2030年においても約45万人と言われています。
新型コロナウイルスの影響で一時的に求人数は低下しましたが、2022年11月ではエンジニアの求人倍率が10.45まで上昇してきています。(参照:doda転職求人倍率レポート)
エンジニアの求人倍率は今後も右肩上がりが予想されており、資格の有無が転職に影響しない状況は当分続くと言えるでしょう。
SEは資格がなくても無事にやっていけるのか
転職には影響しなくてもSEとしてやっていくうえで、ゆくゆくは資格が必要となるのではないかと疑う方もいるでしょう。
SEは資格がなくてもやっていけますが、以下の理由から転職成功後には適当な資格取得を推奨します。
- 企業でスキルアップの研修を受けられるケースが多い
- スキルアップを目指して自分から勉強することも大切
転職後の資格取得には一定のメリットが存在するので、積極的にチャレンジするのがおすすめです。
企業でスキルアップの研修を受けることができる
資格なしでSEに転職した場合、入社後に資格取得をすすめられるケースが多くあります。その際には企業からのさまざまなバックアップを受けられる可能性が高いです。
実績のある研修体制や費用補助のシステムが整っている企業も多く、転職後に試験を受けたほうがメリットは大きいと言えるでしょう。
資格手当やお祝い金が支給されるパターンもあるため、モチベーションを維持しつつ取り組むことができます。
知識豊富なシステムエンジニアは企業にとっても貴重な存在です。人材を探すよりも育成するほうがコストもかからないため、企業側も資格取得には前向きになります。
自分から勉強することも大切
資格は知識の証明であり、対応可能な業務の幅も広げます。対応中の業務に問題がなくても、自分から勉強することも大切です。
エンジニアとしても市場価値を高めることにもつながり、さらなるキャリアアップを目指して転職する際の強みにもなります。
実際問題として新しい技術への適応ができるエンジニアでないと、IT業界では生き残れません。資格目的に限らず自ら学習する習慣は必ず必要になります。
転職を考えていない状況でも資格取得を目指して学習することは、エンジニアを続けていくためのポイントでもあるのです。
SEへの転職を目指す方におすすめの資格3選
資格が転職のキーポイントになることは少ないですが、知識の証明にはなると解説してきました。
未経験からSEへの転職を目指す場合だと、資格を取っておくという選択も間違いとは言えません。ですがどんな資格を選択すればよいか、悩んでしまうことも考えられます。
ここではSEへの転職を目指す方におすすめの資格、その中でも初心者に取得しやすい入門的なものを3つ紹介していきます。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
いずれも独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格です。合格難度もそれほど高くないので、しっかり学習しておけば問題ないレベルとなります。
SE転職におすすめな資格①ITパスポート
ITパスポートは、IT全般に関する基礎的な知識を証明できる資格です。SEだけでなく、すべてのIT従事者に向けた内容となります。
対象がエンジニアだけではないため、合格するのにも一般的なIT知識が備わっていれば十分です。スクールは利用せずに、独学でも問題ないレベルと言えます。
Webサイトや市販の書籍など、学習するための手段も豊富に揃っている取り組みやすい資格です。令和2年度の合格率は58.5%、これまでどおり高めの数値となっています。
未経験でエンジニアを目指す方にとって、最初に狙うのにおすすめの資格です。
SE転職におすすめな資格②基本情報技術者試験
次に紹介するのは基本情報技術者試験で、ITパスポートと比べてよりエンジニア向けの内容となっています。SEとしてまず取っておくべき資格と言えるでしょう。
エンジニアとしての知識を証明するのに十分役に立つ、評価と信頼性の高い資格です。これまでの合格率も約25%前後にとどまっており、レベルの高さがうかがえます。
初心者向けでありながら出題範囲も狭いとは言えず、しっかりと勉強しておかなければ合格は難しい試験です。
ちなみにコロナ禍を経て合格率自体は上昇していますが、自宅にいる時間が増えて対策ができている結果だとも判断できます。
SE転職におすすめな資格③情報セキュリティマネジメント試験
最後は情報セキュリティマネジメント試験、企業や組織の情報を安全に管理するための人材を育てる試験です。
サイバー攻撃や情報漏洩に対して敏感に対処する必要がある時代となった今、情報セキュリティマネジメント試験に合格した人材のニーズは高まり続けています。
情報セキュリティという専門性のある内容ですが、出題されるのは基礎的な知識に限られるため初心者向けに分類される資格です。
ITパスポートよりも上位の資格となりますが、合格率の平均は59.4%と高めで推移しています。さらに上の資格を狙う場合のベースとして、本試験の合格を目指す人も多いです。
現役のSEにおすすめの資格4選
転職を成功させてSEとしての実務経験を積みながら、さらなるキャリアアップも考えている。ここからは、そんな現役SEにおすすめの資格を紹介していきます。
基礎的な資格も取得し終えて、これからスキルアップを目指していくSEにおすすめの資格は次の4つです。
- 応用情報技術者試験
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- 情報処理安全確保支援士
これらの資格は専門性の高い知識を所持していることを証明でき、転職の際も有利に働くものばかりです。
合格の難度は非常に高いですが、SEとしての価値を高める効果は疑いようがありません。
①応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験に合格した人が次に目指すべきステップとして挙げられる資格となります。
ひとりのエンジニアとして誰の力も借りずに問題解決の方法を策定できる実力がないと、試験の合格は難しい中級者レベルの資格です。
出題される試験の範囲は基本情報技術者試験と同様になりますが、より専門的となる深い知識がないと答えられない内容となっています。
実務経験が必須とされるほどの試験ではないですが、合格率は20%前半の数値が続いており高難度の試験であることは間違いありません。
②ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験はITを使った課題解決の方法に関して、経営者の立場で戦略を考えられる人材へと育成するものです。
経営に関わるレベルの知識を所有することになるため、SEとして携わる上流工程のさらに上へ参加できる立場へとステップアップできます。
エンジニアが受験する資格の中でも上のほうに位置する高難度の試験となり、当然ながら合格率も15%前後と低めです。
SEのひとつ上となるポジションになれるため狙う価値も大きいですが、エンジニアが選択する資格の中でも最難関と言って差し支えないレベルの試験となります。
③システムアーキテクト試験
要求されるシステムの要件定義や構造設計の担当能力を示せるのが、システムアーキテクト試験の合格者です。
合格後に担当できる仕事はSEと近いものになりますが、そこにビジネス的な視点も含まれるのが特徴となります。
試験の内容は実務経験がないと対応できないレベルで、合格率も12%~15%とかなり低い傾向です。
システムアーキテクト試験合格者は、システム全体の構造設計にも携われるエンジニアの上級職となります。難度の高い試験ですが合格できれば高いポジションでの仕事が可能です。
④情報処理安全確保支援士
サイバーセキュリティに関わる深い知識と技術を有する人材が、情報処理安全確保支援士となります。国内で行われるセキュリティ関連の試験において最難関と言われるものです。
別名として登録情報セキュリティスペシャリストと呼ばれることから、「登録セキスぺ」の略称で知られる情報系ただひとつの登録制士業です。
試験合格者は情報処理安全確保支援士という肩書で、企業の情報セキュリティ業務を担当したりそれに携わる人材の育成を担ったりします。
しっかりとした学習と試験対策は必須ですが、それを十分に理解した人が受験したうえで合格率10%~20%の範囲に抑えられているほど高レベルの内容です。
【まとめ】SEの転職は資格なしでも大丈夫?おすすめの資格も紹介
SEの転職は資格なしでも問題ありません。知識の証明としかならない資格は、即戦力を望む企業にとってあまり意味をなさないからです。
転職においては資格をアピールするよりも、実績やスキルを明示することが優先されます。エンジニアの求人数が低下しない限り、即戦力重視の判断は変化しないでしょう。
未経験からSEに挑戦する場合に限り、最低限の知識があることを示すために資格を取得するというのはひとつの選択と言えます。
資格なしでもSEになれば試験を受けることになるため、今のうちに自己分析をしっかり行い目指す資格を選定しておくこともおすすめです。